パーソナルジムの物件選びで失敗しないための7つのチェック項目

パーソナルジムの物件選びで確認したいのは、事業として使えるか、床と音、広さ、マシンの搬入経路、駅からの道、夜の様子、家賃と初期費用の7つです。

私はこの7つを意識して見るようになるまでに、11件の物件を内見しました。

私が開いたのはピラティススタジオですが、マンツーマンの小さな店を借りるという点ではパーソナルジムと変わりません。
この記事では、2019年にいまの物件を決めるまでに見落としかけたことを、7つのチェック項目として書きます。

11件を内見して1階の28㎡に決めるまで

物件を探し始めたのは、開業の8ヶ月ほど前です。

最初に気に入ったのは、駅前の雑居ビルの2階にある30㎡ほどの部屋でした。
窓が大きく、内見した午前中は光がよく入っていました。

申し込みの直前、不動産会社の担当の方から連絡がありました。
貸主の方針で、人を集める教室としての利用は認められない、と。

内見のときに「ピラティスのスタジオにしたい」とは伝えていました。
ただ、そこから貸主への確認までは、誰も進めていなかったんです。

そこから条件を紙に書き出して探し直しました。
最終的に決めたのは、私鉄沿線のマンション1階にある1LDK、28㎡の部屋です。
駅から徒歩7分、家賃は18万円でした。

以下の7つは、その11件を見るなかで「最初から確認しておけばよかった」と思ったことです。
上から順に、確認できないと先に進めない項目を並べています。

1. 事業として借りられる物件か

最初に確認するのは、その部屋でレッスンをしていいかどうかです。
内装や家賃の話は、ここが通ってからで間に合います。

見るところは、賃貸借契約で使い道がどう書かれるかと、建物として教室や店舗の利用が認められているかです。
マンションなら管理規約、ビルなら貸主の考えで決まることが多いと、不動産会社の方に教わりました。
そのうえで、土地の用途地域によっても開ける業種が変わります。

私が最初に気に入った物件は、この確認で落ちました。
いまなら、内見を予約する時点で「マンツーマンのピラティス教室として使いたいので、規約上問題ないか先に確認してほしい」と伝えます。

マンションの一室で開く場合に、用途地域と管理規約をどう確かめるかは、手順が長くなるので別の記事にまとめます。

2. 床と音、上下と左右の部屋

私が1階にこだわったのは、下に部屋がないからです。

リフォーマー(バネの抵抗を使うピラティスの専用マシン)は、キャリッジと呼ばれる台が前後に動くたびに、小さな振動と音が出ます。
パーソナルジムでダンベルやバーベルを使うなら、振動はおそらくこれより大きいはずです。
ただ、私はジムの器具を置いて運営したことがないので、どの程度かまでは分かりません。

内見で確かめたのは次のところです。

  • 下の階と両隣が住居かどうか
  • 床の仕上げと、その下がどうなっているか(分からなければ管理会社に聞く)
  • 壁を軽く叩いたときの音の響き方
  • 内見中に、上の階の足音が聞こえるか

1階でも、振動と音は隣の部屋に伝わります。
私は床の下地と防音に60万円ほどかけました。
この60万円をどこに使ったかは、開業資金の記事に書いています。

3. 広さとマシンの置き方

28㎡と聞くと狭く感じるかもしれません。
ひとりで回すマンツーマンと定員3名のグループなら、私の場合はリフォーマー2台で足りています。

広さは㎡の数字より、マシンを置いたあとに人が動ける幅で見た方がいいです。
私は2回目の内見にメジャーを持っていき、メーカーの仕様で調べたマシンの外寸を、床にマスキングテープで貼らせてもらいました。

テープを貼ってみて、初めて分かったことがあります。
リフォーマーの横で補助に入る私の立ち位置と、着替えのスペースと、荷物置き場が、同じ場所に重なっていました。

柱の出っ張りや、エアコンの真下に当たるかどうかも、図面だけでは分かりません。
マシンを置く予定の場所に、実際に立ってみるのが一番早いです。

4. マシンの搬入経路

これは、契約が決まってから慌てた項目です。

リフォーマーは大きな箱で届きます。
それなのに私は、玄関ドアの幅、廊下の曲がり角、建物の入口の段差を、契約前に測っていませんでした。

業者さんに搬入の下見をしてもらったのは、契約のあとです。
1階なのでエレベーターは使わずに済み、玄関のドアを一度外せば入るという結論になりました。

これが2階以上で、エレベーターに入らない大きさだったら、窓から吊り上げる相談になっていたかもしれません。
費用も日程も、まったく読めなくなります。

パーソナルジムでラックや大型のマシンを入れる場合も同じです。
大きな器具を入れる予定があるなら、搬入の下見は契約前に頼んでおいた方がいいです。

5. 駅からの道と、迷わずに着けるか

体験に来た方にスタジオを選んだ理由を聞くと、一番多いのは「家から通えるか」です。

私のスタジオは駅から徒歩7分で、駅前ではありません。
ただ、大通りから一本入った角にあって、曲がる場所は1回だけです。

それでも開業当初は「場所が分からない」という連絡が来ました。
マンションの一室なので看板を大きく出せず、外から見てスタジオだと分からないからです。

いまは駅からの道順を写真付きで案内していて、迷ったという連絡はほとんどなくなりました。
ただ、案内で補えるのは「迷いやすさ」までです。
曲がり角が3つも4つもある物件だったら、写真を付けても迷う方は減らなかったと思います。

内見の帰りは、駅まで歩きながら、曲がる回数を数えてみてください。

6. 夜と週末の様子

私のスタジオで予約が埋まるのは、平日の夕方以降と土曜の午前です。

それなのに物件探しの頃は、内見をすべて平日の昼に入れていました。
不動産会社が開いている時間だったからです。

候補を3件に絞ったところで、それぞれの道を平日の夜8時ごろに一人で歩いてみました。
1件は駅から徒歩4分と一番近かったのに、途中の道に街灯が少なく、夜は人通りがほとんどありませんでした。

レッスンを終えた会員さんが帰るのは、夜9時を過ぎることもあります。
その道を一人で歩いてもらうのは避けたかったので、その物件は外しました。

土曜の午前も、一度は見ておくと安心です。
近くに商店街や学校があると、平日とは音も人の流れもまったく違います。

7. 家賃と、契約するだけで出ていくお金

家賃を最後に置いたのは、軽く見ていいという意味ではありません。
1〜6が通った物件の中で、払い続けられるかを最後に判断する、という順番です。

私の物件は家賃18万円で、保証金が6ヶ月分の108万円でした。
仲介手数料と前家賃を足すと、契約するだけで140万円ほどが出ていきました。

保証金の月数は物件によって違います。
家賃だけでなく、保証金と償却の有無、更新料、退去するときの原状回復の範囲まで聞いておくと、物件同士を比べやすくなります。

家賃が売上の何割までなら耐えられるかは、物件を決める前に計算しておきたい数字です。
これは私の帳簿の数字を使って、別の記事で書きます。

7つ全部がそろう物件はない

7つ全部が満点の物件は、私が見た11件の中にはありませんでした。

いまの物件も、駅からは近いとは言えませんし、家賃は最初に決めた予算より2万円高かったです。
それでも決めたのは、1から4までが問題なく通ったからです。
5から7は、道順の案内や数字の見直しで埋められる部分がありました。

逆に、1と4はあとからどうにもなりません。
使っていいと言われない部屋と、マシンが入らない部屋は、どれだけ条件が良くても選べないからです。

これから物件を探すなら、内見の前に、この7つを紙に書いて持っていってください。
私は最初の1件でそれをしなかったので、気に入った部屋をひとつ諦めることになりました。