ピラティススタジオの開業資金はいくら必要?内訳と抑えどころを解説

ピラティススタジオの開業資金は、私の場合で約560万円でした。
用意できていたのは480万円。

80万円足りない状態で、物件の契約書に判を押しました。

いま思えば無茶です。
でも結果としてなんとかなったので、この記事では開業資金の内訳を実額で全部書きます。

これから開業する方が、私より少しましな資金計画を立てられるように。

ピラティススタジオの開業資金の目安

最初に結論だけ書きます。

リフォーマーを1〜2台置く小さなスタジオなら、開業資金は400万〜600万円くらいを見ておくと現実に近いと思います。

私が開業準備のときに集めた見積もりと、実際にかかったお金から出した肌感です。
きれいな統計がある世界ではないので、幅のある目安として読んでください。

私の場合は約560万円(リフォーマー2台・28㎡)

私のスタジオは、私鉄沿線のマンション1階にある1LDK、28㎡です。
リフォーマー2台を置いて、マンツーマンと定員3名のグループレッスンをやっています。

この規模で、2019年の開業時にかかったのが約560万円でした。
内訳は次の章で1項目ずつ書きます。

マット専門ならぐっと抑えられる

実は開業前、マット専門で始める案も考えていました。

マシンを置かなければ、190万円がまるごと消えます。
マシンの重さに耐える床工事もいらなくなるので、内装も下がります。

それでもリフォーマーを入れたのは、勤務時代に担当していたお客さまがマシンのレッスンを求めていたからです。
ここは資金の問題ではなくて、誰に来てほしいかで決める部分だと思います。

時間貸しのレンタルスタジオで始める道もあります。
初期費用はほぼゼロにできますが、マシンの搬入と保管ができないので、マットのレッスンが前提になります。

マシンを増やすなら、その分の足し算

リフォーマーを3台以上並べるグループ主体のスタジオになると、マシン代と物件の広さがそのまま乗ってきます。

ただ、私にはその規模の運営経験がありません。
なので無責任な数字は書かないでおきます。

この記事は「1〜2台の小さなスタジオ」の話として読んでください。

開業資金の内訳|私の実額560万円

全体はこうでした。

項目金額
物件の取得費約140万円
内装工事約210万円
リフォーマー2台約190万円
備品・予約システム・チラシなど約20万円
合計約560万円

あくまで私の場合の数字です。
物件の広さと地域、マシンの台数で大きく変わります。

物件の取得費 約140万円

中身は、保証金が家賃6ヶ月分で108万円、あとは仲介手数料と前家賃です。
家賃18万円の物件だと、契約するだけで140万円が消えます。

ここは「家賃の何倍」という世界なので、家賃を下げる以外に削りようがありません。

物件を決めた瞬間に、開業資金の4分の1の使い道が決まります。
だから物件探しは、内装やマシンより先に予算の上限を固めてから動いた方がいいです。

内装工事 約210万円

壁と床、照明、更衣スペースの造作をお願いして210万円でした。
このうち60万円は床です(あとで詳しく書きます)。

内装は見積もりの振れ幅が一番大きい項目でした。
同じ要望で3社に出して、最初の見積もりは280万〜340万円。

相見積もりは面倒ですが、ここだけは省かない方がいいです。

リフォーマー2台 約190万円

新品1台と中古1台で約190万円。
送料と搬入、納品後の調整費まで含めた数字です。

リフォーマーの新品はブランドと仕様で価格の幅が大きくて、私が調べた範囲でも1台あたりの差が数十万円単位でありました。
マシン選びだけで記事が1本書けるので、ここでは「予算の3分の1がマシンに消える」とだけ覚えておいてください。

備品・予約システムなど 約20万円

プロップス類、タオル、ウォーターサーバー、予約システムの初期費用、開業チラシで約20万円。

ここは「開業後に買い足す」前提で、最初は最小限にしました。
実際、開業して半年の間に少しずつ増えています。

最初から完璧に揃えようとすると、この項目は際限なく膨らみます。

開業資金の抑えどころ

私が実際に削れたのは、マシンと内装で合わせて120万円ほどでした。

マシン1台を中古にして約50万円

リフォーマーの1台を中古にしました。
新品2台で考えていた頃の見積もりが240万円くらいだったので、50万円ほど浮いた計算です。

中古を見に行ったとき、確認したのはこのあたりです。

  • 実物に乗って動かせるか(ここが一番大事)
  • スプリングのへたり
  • キャリッジを動かしたときの引っかかり
  • フレームのぐらつきと傷
  • 搬入経路と送料の見積もり

スプリングとキャリッジの状態は、写真では分かりません。
私は販売元の倉庫まで行って、実際に乗ってから決めました。

この手間だけは省かない方がいいです。

内装の見積もりから約70万円

内装は、最初の見積もりが280万円でした。

そこから造作棚をやめて既製品にし、壁の一面は塗装だけにして、210万円まで落としました。

内装にこだわりたい気持ちは、ありました。
ただ、会員さんがレッスン中に見ているのは天井と自分の身体です。

壁の棚ではありません。

削らないと決めたのは床

逆に、床だけは削りませんでした。

リフォーマーは水平が出ていないと動きが変わるので、床の下地は妥協しない方がいいです。
それと、マンションの1階でも振動と音は隣の部屋に伝わります。

私は床の下地調整と防音に、内装費のうち60万円ほどを使いました。

金額だけ見ると重い出費です。
でも、開業してから床を工事し直すことになったら、その間レッスンを止めることになります。

営業しながら直せない場所からお金をかける。
内装の順番はこれに尽きると思っています。

開業資金の調達方法

私の場合、560万円の出どころは3つでした。

  • 自己資金 180万円
  • 日本政策金融公庫の融資 300万円
  • マシン1台の割賦払い 約80万円分

日本政策金融公庫で300万円借りた

私は公庫の創業融資で300万円を借りました。

私が借りた2019年当時の制度はいまは形が変わっていて、現在は「新規開業・スタートアップ支援資金」という名前になっています。
要件や金利は変わることがあるので、申し込む前に公庫の公式サイトで最新の内容を確認してください。

準備したのは創業計画書と、自己資金を貯めてきた履歴が分かる通帳でした。
面談で聞かれたのは「なぜこの場所なのか」と「会員が何人いれば回るのか」の2点です。

勤務時代に担当していたレッスン数と指名の状況を、そのまま数字で見せました。
たぶん、ここが一番効いています。

開業前に勤務スタジオで実績を作っておくことは、集客だけでなく融資の場面でも意味があります。

足りない80万円は割賦にした

見積もり560万円に対して、自己資金と融資で480万円。
残り80万円は、新品リフォーマー1台を割賦払いにして埋めました。

販売店に相談したら、リースと割賦の2つの提案が出てきました。
私は最終的に自分のものになる割賦を選びましたが、ここは考え方次第だと思います。

開業時の持ち出しは減ります。
ただ、当たり前ですが毎月の支払いが増えます。

この「毎月の支払い」が、次に書く運転資金にじわじわ効いてきました。

補助金・助成金は自治体によって違う

創業者向けの補助金や助成金は、自治体によってあったりなかったりします。
金額も条件も地域差が大きいので、開業予定地の自治体窓口や商工会議所で確認してください。

私はタイミングが合わず使えませんでした。
使える制度があるなら、申請の手間をかける価値はあると思います。

開業資金より怖かった運転資金

開業して最初の3ヶ月、会員さんは12人でした。

家賃18万円とマシンの割賦の支払いで、手元にはほとんど残りません。
生活費は貯金を切り崩しました。

開業資金の計画は、それなりに立てて臨んだつもりでした。
抜けていたのは、開業したあとに毎月出ていくお金の計画です。

会員がゼロでも、初月から始まる支払いがあります。

  • 家賃(私の場合18万円)
  • 水道光熱費
  • 予約システムの月額
  • マシンの割賦の支払い
  • 自分の生活費

いまなら、開業資金とは別枠で「開業後6ヶ月分の家賃と生活費」を確保してから物件を探します。

これから見積もりを取る方へ

開業資金の総額より先に、開業後6ヶ月分の家賃と生活費を別枠で確保できるかを見てください。

私はそこを甘く見て、最初の3ヶ月が一番つらかったです。
マシンも内装も工夫次第で削れますが、家賃と生活費は毎月必ず出ていきます。

物件に判を押すのは、その計算が終わってからで遅くありません。